生成AIを使いたいけど何から始めればいいか分からないとき、最初に考えること

会議テーブルを囲んで、生成AIの使い方を話し合うスーツ姿のたぬきたち

「生成AIを仕事に使ってみたいけど、何から始めたらいいか分からない」。そう思っている経営者の方は、多いのではないでしょうか。

ClaudeやらChatGPTやらGeminiやら、何やらいろいろと名前は聞くものの、自分の会社で何をどう使えばいいのかは、なかなか見えてこないものです。ツールを選ぶ前に、先に決めておきたいことが二つあります。

目次

一つ目は、AIで何を減らしたいかを決める

「何ができるか」より「何に困っているか」

生成AIで何ができるかを調べ始めると、文章づくり、要約、翻訳、画像づくりなど、今やできることが多すぎて、かえって迷いやすくなってしまっています。そんなとき、まず考えるのは、「いま、手間がかかっていて、減らしたい仕事は何か」です。

減らしたい仕事が決まれば、AIが合うかどうかはそのあとで判断できます。もちろん、AIを導入してみたもののうまくいかないこともあります。そのときはもとに戻せばいいだけです。

手間を数字にしてみる

減らしたい仕事が見えたら、その仕事に今どれくらい時間がかかっているかを、数字にしてみます。1回あたり何分で、週に何回あるか。それだけで構いません。

たとえば、次のような仮の数字で考えてみます。実際の会社の数字ではなく、一つのよくある業務の例として考えてみてください。

作業いまの手間(仮)AIを使った場合(仮)1週間の差(仮)
見積書・案内文の下書き1件30分 × 週5件 = 150分1件15分 × 週5件 = 75分75分
打ち合わせの議事録1回40分 × 週2回 = 80分1回15分 × 週2回 = 30分50分
問い合わせメールの返信案1件15分 × 週6件 = 90分1件8分 × 週6件 = 48分42分
合計320分153分167分(月に約11時間)
仮の数字による計算例です。実際の短縮時間を示すものではなく、業務やAIの使い方によって変わります。

この3つの作業で、仮にこれだけ短くなるとすると、1か月(4週)で約11時間の差になります。時給換算を2,000円と置けば、仮の計算では月に約2万2,000円分の時間になります。なかなかの削減効果じゃないでしょうか?AIの月額費用がこの金額より小さければ試してみる価値がある、と考えることができます。

もちろん、実際に業務内容やAIの使い方によってかかる時間は変わってきます。下書きや議事録は、AIが作った内容を人間が確認する時間も必要です。まずは、今、実際に手間だと思っている、時間がかかっていると思う業務の時間を洗い出してみてはどうでしょうか。

二つ目は、情報の扱いのルールを決める

なぜ、入力する情報を気にするのか

生成AIに文章を入力すると、その内容はAIサービスの事業者のサーバーに送られます。サービスや契約プランによっては送った内容がAIの改善に使われることもあります。設定により、入力した情報を改善に使わないようにすることもできますが、データを送る以上それは「絶対」とは言えません。

2023年には、韓国の大手電機メーカーで、社員が業務のソースコードなどを生成AIに入力してしまって、当時、社内での利用が制限された、という報道もありました。

法律の面でも、ちょっと注意が必要です。個人情報保護委員会は2023年6月に、生成AIサービスを使うときの注意喚起を出しています。個人データを入力するときは、入力先が回答を出す以外の目的(機械学習など)で扱わないかを確認することが求められています。本人の同意なく入力して回答を出す以外の目的で扱われると、個人情報保護法に違反するおそれがあるという内容です。

ルールが必要なのは、AIが危ないからではなくて、入力した情報が会社の外に出てしまうからです。

入れていい情報と、いけない情報

何を入れていいかは会社によって違いますが、だいたいの目安はこんな感じです。

区分情報の例扱い
入れないお客様の個人情報(氏名・連絡先・取引内容など)/取引先から預かった資料/未公表の価格や計画、社内の数字/IDやパスワード入力しない
加工すれば使える社名や個人名を伏せた文章/数字を置き換えた資料誰のものか分からない形にしてから入力
入れてよいすでに公開している情報/自社の一般的な説明文入力してよい
考え方の目安です。実際の線引きは、会社の業務や契約に合わせて決めてください。

最初は「個人情報と取引先の機密は入れない」くらいの決めごとで十分です。細かいところは、使いながら足していけばいいと思います。

ルールづくりの参考になるものとして、IPA(情報処理推進機構)の人材育成プログラムの修了生が2024年7月に公開したテキスト生成AIの導入・運用ガイドラインがあります。利用のルールを文書にまとめる章や、リスクの大きさに応じて管理する章があります。

最初の一歩は、小さく

一つだけ選んで試す

減らしたい仕事を一つだけ選んで、個人情報や機密を入れない範囲で試してみましょう。いきなり全社で使おうとしなくて大丈夫です。うまくいけば次の作業に広げて、合わなければやめればいいだけです。そうやって小さく試せるのが、生成AIのいいところです。

試す前に、やめる目安を決める

試す前に、続けるかやめるかの目安も決めておくといいです。たとえば「1か月試して、月に5時間以上短くならなければやめる」といった感じです。目安がないと、効果が出ていなくてもなんとなく使い続けてしまいがちです。

さきほどの数字の考え方を使えば、AIの月額費用と、短くなった時間の人件費換算を比べて決められます。

使う前に、扱われ方を確認する

使う前に、利用規約や設定画面で「入力した内容がAIの学習に使われることがあるのか」を確認しておきましょう。

今日、確認してみてほしいこと

「うちの会社で、AIに任せたい仕事と、入れてはいけない情報を、それぞれ一言で言えるか」

この二つがすぐに言えたら、もう始める準備はできています。言えなかったなら、考えるきっかけになればうれしいです。

ご相談について

「何から始めればいいか分からない」という段階でも大丈夫です。初回30分程度までは無料で、Google Meetまたは電話でお話しします。AI・DX活用の支援内容はAI・DX活用支援のページにまとめています。

「この支援メニューは自分に合っているだろうか?」「うちの会社の場合、どうなるの?」 少しでもそう感じたら、まずはお気軽にご相談ください。 貴社の現状を丁寧にヒアリングし、最適な解決策を共に考えていきましょう。

初回無料相談・問い合わせは以下のボタンからお気軽にお問い合わせください!

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